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「この蛍光灯を替えるのも、今日で最後かもしれません」
ビルを管理していただいている会社の初老の部長が、
脚立に上りながらぼそっとつぶやいた。
こちらを向いて、首の前で右手を揺らす。
「首ですから」
しかしながら、その表情に悲壮感はまったく見られない。
にやっとしながらそう言う顔の中で、目が輝いている。
よくよく話を聞くと、大学に合格したらしい。
「だから、ぼくは今学生なんですよ。
ゴールデンウィーク明けから授業が本格的に始まるんです。
子どもも大学生だから、これから負けないように2年間頑張んないとな」
そう言って目を細めた顔には、期待とはにかみが混じっていた。
2006年春。身近なところでも新しい人生を始めた人が、また一人いた。
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