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SENIOR DREAM PROJECT 〜あなたの夢を応援〜やってみる。「自分の作品で個展をひらきたい」「スポットライトを浴びながらステージで演奏したい」「自分史やエッセイ、写真集など、自分の本を出したい」そんな夢を遠慮しないで、やってみる。“今さら”ではなく“今だから”実現できる夢があるはず。私たちが、あなたの夢への挑戦を応援します。
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夢追うひとびと
# 4
「作品に命を吹き込む」
池田輝司さん(52歳)
北斎や広重の浮世絵を模写するペン画の年賀状を描き続けて約25年になる池田輝司さん。 今年の夏、初めて青山で個展を開催したところ、 猛暑の中、155名もの人たちがギャラリーに足を運んでくれ、大成功となりました。 ギャラリーオーナーによる適切なアドバイス、サポートがあったからこそ実現できたという、 第1回個展開催の背景を伺いました。
池田輝司さん
-- 25年分の年賀状
 個展の開催を目標として作品作りに励む人は多いが、 池田さんは個展を開催するためにペン画を描き続けてきたという訳ではない。 毎年送る年賀状用に浮世絵を模写し続けた結果、 気づいたら個展ができるだけの作品が溜まっていたとのこと。
 自分が個展開催するなんて、夢にも思っていなかったが、 「20数年分の作品をみなさんに見てもらったらどう?」という妻からの一言に後押しされて、 さらには、友人でギャラリー「GUILD ART SPACE 游」のオーナー 木戸晴久氏のサポートがあって、 個展開催に至った。そもそも、池田さんがペン画をはじめたきっかけは、何だったのだろう?
 「1982年、結婚を契機に、白黒で表現するペン画による年賀状づくりをはじめました。 年賀状は芸術性を求めるものではないので、お正月に年賀状を受け取った人に、 うれしいと思ってもらえるよう、浮世絵を模倣して描いてみることにしたのが始まりです。 色は使わずに黒一色のみで表現する気楽さがよかったですし、ペンで描く緊張感が好きで、 毎年楽しみながら約25年も続けることができました」
 池田さんの緻密な作品を見ていると、絵を専門に勉強したことがあるか、 または子どもの頃から絵に親しむ環境にいたのではないかと思いたずねてみたが、 「絵を専門に勉強したことはないですし、また絵を描くことが趣味ということでもない」 との意外なお返事が返ってきた。 年に1度の国民的行事、年賀状づくりをただ続けてきただけだと、あっさりしている。
 そんな池田さんではあるが、年代を追うごとに表現方法が細かくなり、手が込んできている。 例えば、初期のものには、濃淡の表現はないが、10年目頃から漫画用のスクリーントーンを利用して 濃淡を表すようになったり、当初は細かな表現ができずに浮世絵の構図の一部のみを描いていたものが、 構図全体をきちんと模写するようになったり、明らかに腕が上がっているのがよくわかる。
 切り抜きに適したカッターをみつけるのに、何本も何本も試してみたり、 熱心に工夫を重ねるのも楽しみの一つになっていった。
-- プロのサポートが加わって
 思いがけず開催した個展にて、多くの発見があった池田さんは、こんなことも語ってくれた。 「才能があるとか、ないとかではなくて、ポンと背中を押してもらえさえしたら、 誰でもできると思うんです。最初は、自分も不安だったけれど、プロのサポートが加わり、 持っていた作品を額に入れたり、デッサンのままだったものをペンで描いて仕上げてみたり、 そうしたことで作品が生き返り、ぐんと引き立つことがよくわかりました」
 「私たちの世代は、切手のコレクターもいるし、ブリキのおもちゃのコレクターもいます。 ギャラリーで発表するのは、自分が作った作品ばかりでなく、 今持っているものをもとに何かを表現することでもコレクションが生き返ると思います。 シニア・ドリーム・プロジェクトがサポートしている内容は、 まさに眠っているものに命を吹き込む仕事だと思いますよ!」

右から池田さん、木戸さん、池田夫人
-- 同世代に刺激を与えたい。
 池田さんは、正直、個展開催にはまだ早いかなという迷いもあったが、 体力があるうちにチャレンジしたことは良かったと実感しているという。 「もちろん定年後に始めたって遅くはないけれど、足がかりは早くにみつけておいた方がいい」 そんな風に感じているらしい。
 「初めての個展に155名もの人が来てくれたことが、とてもうれしかったし、刺激になりました。 さらに、来場してくれた友人の一人が、私に触発されて、木版画の個展をやってみようという 気持ちになったんです。自分が開いた個展がきっかけで、同世代の仲間たちも、 チャレンジする気になってくれたのだから、個展をやって、本当によかったと思う」
 今の時代、トレーシングペーパーをつかったり、コンピューターで原画を取り込んだり、 簡単に模写する方法はいくらでもあるけれど、本物を見ながら、 丁寧に模写していくのが楽しいし、この緊張がたまらないと池田さんは、満面の笑みで話してくれた。 集中し、リズムができると次から次へと描きたくなるそうだ。
 「1本100円のペンさえあれば、心地よい緊張を楽しめるんです。肩ひじはらずに、 気楽にやっていいと思う」池田さんのそんなスタイルが、長く続ける秘訣だと思う。
 個展をきっかけに、益々意欲が湧いてきて、丸の内界隈の近代建築を描いてみようかなとか、 色々描いてみようと池田さんの夢は、広がっている。 2007年の池田さんの年賀状は、どんな絵柄になるのだろうか。
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