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SENIOR DREAM PROJECT 〜あなたの夢を応援〜やってみる。「自分の作品で個展をひらきたい」「スポットライトを浴びながらステージで演奏したい」「自分史やエッセイ、写真集など、自分の本を出したい」そんな夢を遠慮しないで、やってみる。“今さら”ではなく“今だから”実現できる夢があるはず。私たちが、あなたの夢への挑戦を応援します。
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夢追うひとびと
# 12
「いくつになっても女性はおしゃれでいて欲しい」
渡辺友子さん(60歳)
過日、SDPJの「あなたの夢・大募集」宛に、一通の投稿がありました。 娘さんと一緒に、婦人服通販事業を起業した団塊女性・渡辺友子さんが、 「デザイナーとして、副社長として、さらにはモデルとしてイキイキと活動し、 今、まさに人生を楽しんでいる」という内容のもの。 おしゃれで、自立した女性に着てほしいと、機能のみならず流行を取り入れながら、 高齢者向けのおしゃれ着を作るのが何より楽しいという渡辺友子さん。 今回の「夢追うひとびと」は渡辺友子さんに、起業の経緯や、 ものづくりへのこだわりなどをお伺いしました。
渡辺友子さん
渡辺友子さん

綿サッカーの五分丈ブラウス
-- 洋服は買うものではなく、作るもの!?
 「自分で作った洋服を商品として販売し始めたのこそ最近なのですが、 私にとって洋裁は、単なる“趣味”という言葉で片付けてしまうのでは物足りないぐらい、 昔からずっと慣れ親しんだものなんです!」
 高齢者向けのおしゃれ着を販売するブランド・マダムトモコ。 そのマダムトモコの副社長でデザインを担当する渡辺友子さんに 洋裁との出会いをお伺いすると、そんな言葉が返ってきた。
 「自分の洋服はもちろん、入学式やピアノの発表会等のイベントが あるごとに3人の娘の洋服をたくさん作ってきました。 既成の製品もいいのですが、自分で作れば、思い通りのデザインにできる上に、 安上がりなんです。我が家では洋服は買うものというより、作るものという感覚がありますね」
 そうは言っても、洋服は誰にでも簡単に作れるものではない。 これまでにどんな修行をしてきたのだろうか。
 「実を言いますと…、私は洋裁学校などに通った経験はないんです。 でも、幼少のころから裁縫にとても興味を持っていて、 小学生の頃、祖母に作ってもらった人形を持っていたのですが、 今のような着せ替え人形ではなかったですから、 自分で人形の洋服を作って、着せ替えて遊んでいたんです。 今、思い返せば、これが私の洋裁の原点ですね。中学生になると、 すでに自分の着る服は自分で作っていました。そして、高校生になってからは、 洋裁の作業はさらに本格的なものとなりました。男の人と、 今の主人ですが…、デートをするために、おしゃれな洋服が もっと欲しくなったのが原因なんですけど…(笑)。その後も、独学でデザインの勉強をしたり、 洋装店に通ったり、洋裁から離れることはありませんでした」
 独学で洋裁を学んできた渡辺さん。独学だからこそ、学習方法も工夫した。
 「どのように作っていいかわからないときは、既製品の糸を解いて 分解してしまうんです。例えば、袖を付ける際に『どうすればふっくらと立体的に付けられるのか』 わからなかったので、糸を解いてみたら、『なるほど、こういうパーツを入れていたのか』 と謎が解けました。何度も何度も解体していくうちに、大体のことは見てわかるようになってきました」
 見てわかるようになればこっちのものだと、渡辺さんは続ける。
 「今は百貨店や専門店へ出掛けては、ディスプレイを見て、最近の洋服のトレンドや デザインを目で盗んで帰るんです。それを自分なりにデザイン画に起こして、 オリジナルのものを作っています。時には、後ろ姿のデザインを見忘れて、 もう一回見に行ったこともありました(笑)」

-- きっかけは、米寿のお祝いに作ったおしゃれ服。
 独自の方法で腕を磨いてきた渡辺さんの洋装術は、高齢者向けのおしゃれ着ブランド「マダムトモコ」の起業に繋がっていく。
 「マダムトモコを立ち上げるきっかけとなったのは義母の米寿のお祝いなんです。 義母はおしゃれにこだわりがある人なのですが、腰が曲がっているため、既製品のブラウスでは裾が 吊り上って背中が見えてしまうという悩みを日ごろから抱えていました。 そこで、背中をしっかりと隠すことができて、さらに米寿の食事会に着て行きたくなる、 おしゃれな洋服を作ってプレゼントしようと考えました」
 渡辺さんは、機能性だけではなく、おしゃれ着であることにこだわった。 背中を隠すためにただ大きめな服を作るのでは従来のダボダボのスタイルと変わらないため、 背中を隠すことができて、なおかつスリムという新しいスタイルを作ろうとチャレンジした。
 そして、何事も自分で考え、学び、作ってきた経験が画期的なアイディアを生みだすこととなる。
 「ブラウスの前身の丈は通常の長さで、後身の丈を長くするために、脇の下にタックを入れたんです。 この方法は、様々な腰の曲がり具合に対応できるんです。我ながら、いいアイディアだと思いましたね」
 お義母さまはプレゼントを喜び、米寿の食事会はもちろん大成功となった。

マダム・トモコの脇タック製法

マダム・トモコのウエストライン
長女で社長の麗子さんと

ご主人で顧問の重男さんと
-- 家族で力をあわせて。
 渡辺さんは、脇にタックを入れるというアイディアを取り入れた「自信作」を、 夏休みで遊びに来た長女の麗子さんにすぐに自慢した。
 「実はその長女の麗子が、マダムトモコの現在の社長なのですが、 『これはすごい。特許が取れるのでは!』と言い出し、特許申請をすることに決めました。 申請後、一旦は認可は拒絶されたのですが、主人の積極的な協力のもと、 諦めることなく申請を続けた結果、特許登録が認可されることとなりました。 実物を持参して説明するなど何回か担当者と話し合いをしたのですが、 最後には『これからの高齢化社会を考えると、とても有望なアイディアですね』と太鼓判を押してくれたんです!」
 マダムトモコは、特許申請という第一歩を踏み出すときから、家族全員で力をあわせて作り上げてきたブランドなのである。
 「今でも通信販売用カタログを制作する際は、私がモデル役を務め、次女がメイクをし、 長女がデザインを担当します。さらに、主人は雑用、娘の主人は孫の世話係と家族総出です(笑)。 カタログ制作をはじめ、最初はわからないことだらけでしたが、家族で力を合わせてきたからこそ、 うまくいったんだと思ってます」
 もちろん会社を経営する上で意見のぶつかり合いはある。 そんな時の調整役は渡辺さんのご主人であり、マダムトモコの顧問でもある重男さんである。
 「私は外部の人の起業支援をしているのですが、気付いたら、嫁と娘が家の中で起業していました(笑)。 今は専ら、社長(長女の麗子さん)と副社長(渡辺友子さん)の喧嘩の仲裁役です。 でも、社長は経営者という立場からの意見があり、副社長は製品の作り手という立場からの意見がある。 意見がぶつかることは当たり前ですし、ぶつかりあうことはとても大切なことだと思っている」と重男さん。
 さらに「ご自身の意見は?」の質問にも、「自分の意見は極力言わないようにしています。 一般企業でも年寄りが意見を押し付けるの弊害ですから。顧問はじっと我慢が大切なんです」と笑って答えてくれた。
 年々売り上げが増えていくマダムトモコの成功の秘訣は、家族でありながら、 役割分担がしっかりとできている組織にあるのかもしれない。

-- おしゃれで、自立した女性たちに着てほしい。
 このビジネスを始めたばかりの頃は、作ったカタログが自宅に山積みとなって残ったり、 気持ちがめげることもあったそうだが、丁寧に事業に取組んだ結果、 今では全国にファンが増え、新しい製品の入荷を待ってくださるお客様もたくさんいるという。
 「先日は、80代の女性が、息子さんにプレゼントされたパンツを気に入って、 品質タグに書かれているマダムトモコの電話番号を虫眼鏡で見ながら、 注文してくださったという嬉しいエピソードもありました。マダムトモコの服と出逢って、 おしゃれの楽しみが増え、外に出る機会が増えたり、パーティに出てみようという気持ちになったと いう喜びの声が私の励みになっています」
 渡辺さんはあくまで「おしゃれであること」にこだわっている。 そのため、マダムトモコの製品が「機能性だけの介護用品」と思われることに 一番抵抗を感じているという。
 「介護用品の必要性はもちろんあると思いますが、 マダムトモコは『おしゃれな洋服を作ること』にこだわり続けています。 作り手側が『お年寄りだから、こういうものでいいだろう』という考え方を 相手に押し付けるのは失礼です。流行というのは、誰が作っているのかわかりませんが、 いくつになっても流行に敏感で、おしゃれでいるのが素敵だなと思っています。 だから、背中が丸くなったり、骨粗しょう症で腰が曲がった人でも、 流行を取り入れ、おしゃれで居てほしいなと思うんです。 私が作るマダムトモコの服は、おしゃれで、自立した女性に着てほしい。 これからも機能におしゃれをプラスした服作りをしていきたいと思っています」
 最近は「マダムトモコで○○を作ってくれないかしら?」というリクエストがたくさん入るようになった。 そんな切実なお客様の声を聞くと、リクエストにはできるだけ応えたいと、渡辺さんの洋装魂に火が付くという。
 まさに職人。お客様の声を大切に、丁寧な仕事をしているからこそ、ファンも増えているのだろう。

お気に入りのボードと モデルとして活躍する渡辺さん

お気に入りのボードと
アクティブシニアのための婦人服店「マダムトモコ」

マダムトモコは背中が丸くても美しいきこなしのできる美人服専門店です。 デイケアセンター、デイサービス、病院にいくだけでも美しくきちんとしていたいそんな方を応援します。

マダムトモコ・ホームページ

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