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SENIOR DREAM PROJECT 〜あなたの夢を応援〜やってみる。「自分の作品で個展をひらきたい」「スポットライトを浴びながらステージで演奏したい」「自分史やエッセイ、写真集など、自分の本を出したい」そんな夢を遠慮しないで、やってみる。“今さら”ではなく“今だから”実現できる夢があるはず。私たちが、あなたの夢への挑戦を応援します。
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夢追うひとびと
# 14
「上達したい!その一心で」
河野拓さん(57歳)
大手商社勤務の後、シニアパートナーを務めた国際石油トレーディング会社を53歳で退職。 昔から憧れていたJAZZギターを習いはじめた河野拓さん。 まずは、世田谷区の三宿にある国立音楽院に入学。 10代、20代の中に50代は自分一人という環境に躊躇することなく 飛び込んだそうだ。若い人に負けたくないという想いから朝から晩までレッスンに集中し、 音楽院を卒業した今では、定期的に赤坂でLIVE活動を続けています。 今回は、その河野さんにJAZZへの想いとその魅力について伺いました。
河野拓さん










-- 10代、20代の若者がクラスメイト。
 大手商社で海外勤務も経験し、その後、国際石油トレーディング会社でシニアパートナー として活躍していた河野さん。 石油トレーダーはかなりの緊張感を必要とする仕事で、 53歳になった時に『完全燃焼できた』という思いから仕事を辞め、 昔からやりたかったJAZZギターを習い始める。
 「退職したら、妻と二人でのんびり旅行や音楽会に出掛けようと思っていました。 でも、いざ退職が現実となると、私は旅行よりJAZZギターを本格的に習ってみたい! との想いが強くなり…。若い頃に果たせなかった夢を今こそ始めようと思ったのです」
 河野さんは、長年の夢を叶えるために三宿(東京都・世田谷区)にある国立音楽院に入学することを決意。 家から通いやすく、ジャズ界でビッグネームの今田勝氏が講師をしていることから、 この専門学校を選んだのだそうだ。10代、20代の若者の中に50代は、 河野さん一人だったが、楽しい学生生活をスタートする。
 負けず嫌いの河野さんは、若者には負けないように、 毎日約8時間の練習を続けたという。
 「朝から晩までレッスンに集中するために、 学校の近くにギター練習用のアパートを借りました。 家族との暮らしと自分だけの時間を上手に棲み分けしておいた方がいいかなと 思ったからです。家に居て、一日中ギターの音がうるさかったら、家族がたまらないでしょ(笑)」
 最初はもちろん、わざわざアパートを借りて一日中ギターの練習をするということを 家族には理解してもらえなかったそうだ。
 しかし、熱心に練習を続けている姿を見て、本気だということが伝わったのか、 家族もライブに応援に来てくれるようになった。 そして、4年経った今では、ギター練習用のスペースを借りたことは 賢い選択だったと理解してもらえるようになり、 「最近では演奏を安心して聴けるようになった」と家族もライブを楽しみにしてくれているそうだ。
 「憧れのJAZZを習い始め、国立音楽院では研究熱心な素晴らしい指導者にも恵まれました。 岩谷耕資郎先生は根っからの音楽人間で、目先のことよりどうやったらより良い音楽ができるかばかりを 考えている人です。YouTubeで世界中のJAZZギタリストの演奏の映像を研究して、 岩谷先生自身も進化し続けているので、常に刺激をもらっています。 岩谷先生は私より15歳年下の若い先生ですが教え方が抜群にうまく、 とても熱心に教えてもらえました。
 でも、毎日毎日練習しても練習しても、上達したという手ごたえはなく、 自分にフラストレーションを感じました」
 壁にぶち当たった河野さんは、人前で恥をかかないと上達しないと思い、 定期的にライブ活動をすることを決める。
 「パーティで演奏させてもらったり、行きつけのバーで友人と二人でライブ活動を始めたり、 できるだけ発表の場を持つようにしています。JAZZギター2本での演奏はとても楽しく、 音楽院を卒業した今でも、週一回クラスメイトの20代の友人とレッスンを重ねています」
 「ライブには妻や娘たちはもちろん、かつて私が勤めていた石油業界の仲間が多く集まってくれて、 わいわいガヤガヤ盛り上がっています」

-- JAZZを気楽に楽しむ。
 「商社で働いていた時代のように自分がそこで必ず成功を収める必要もなく、 存在を証明する必要もなく、今は気楽にJAZZを楽しめるのがいいなと思っています。 JAZZの魅力はアドリブにあります。 演奏する人によって歌い方もリズムも違うJAZZは、知れば知るほど、 どんどんおもしろくなっていきます」
 河野さんは毎朝5時半に起きて、犬の散歩に行き、新聞を読んだり、 家の周りを掃除したり、朝食を済ませてから二世帯住宅のお母様のフロアの掃除をし、 お孫さんの保育園の送り迎えをしたり、忙しい午前中を過ごしている。
 午後からは、JAZZの練習をするのが日課となっていて、 うまくなるためにひたすら練習に励んでいるそうだ。
 「私の場合は、人に教えたいとか、音楽で稼ぎたいという思いはありません。 私は毎日、毎日を楽しもうと思っています。とにかくJAZZがうまくなりたい!その一心で練習に励んでいます」







-- ミュージシャンの厳しさが身にしみる。
 「JAZZは、5年もすればある程度ものになるかなと思って始めましたが、 4年目の今、この道は果てしないと気づきました。多分20年はかかると思います(笑)。 JAZZはこの奥深さがおもしろいのです。 さらに、私は身一つで10代・20代の若者の中に飛び込み、 JAZZを志す若者と出会えたことで、もう一つ大切なことに気づきました」
 河野さんが気づいた大切なこととは、何だろうか?
 「それは、儲かるとか、儲からないという基準ではなく、 純粋に好きな音楽のために頑張るという若者たちの姿勢です。 団塊世代の私は、いい時代を生きることができたと思います。 大学時代も就職してからも、エキサイティングな人生で本当に楽しかったですから。
 退職して、JAZZギターを始めてからは、ミュージシャンの醍醐味もちょっと垣間見れて、 ものすごく刺激になっています。音楽でお金を得ていくのはとても厳しく、 ミュージシャンのギャラは決して高くありません。 アルバイトをしたり、他に収入を得る手段をみつけないと好きな音楽を継続するのは 厳しいのが現実です。でも、若者たちは、好きな音楽のために、純粋に頑張っている。 そんな若者たちと出会えたことは、自分にとって大きな財産となっています」
 よく大人は「最近の若い者は…」と非難するけれど、かつて若い頃に反抗ばかりしていた自分たちより、 好きな音楽のためにけなげに努力している今の若者たちの方が、 ずっとしっかりしていると河野さんは思うそうだ。
 「だから、私は、彼らと一緒の時間を大切にしたいのです。 普段ギターを練習するときも、毎月のLIVE活動も、若い人たちと一緒です。 彼らから学ぶものがたくさんありますから」
 JAZZの話をしている河野さんは、年齢を忘れて、まるで少年のような笑顔でとても楽しそうだった。

河野拓さんLIVE情報

毎月最終木曜日・20時30分から、
赤坂ALBATROSSにて
河野さんのライブが開催されます。
詳しくはコチラまで。

皆さま、ぜひ足をお運びください!
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